診療案内MEDICAL

食事療法

食事は身体を健康的に維持するために大切なものです。またそれと同時に、生活に潤いを与えてくれる大切なものです。そして一人一人の食生活は皆それぞれ違います。しかもその時の仕事の影響など社会的環境や、家族構成の変化等の家庭環境の影響を受け、変わりやすいものです。当クリニックでは患者さん一人一人の食生活を大切にし、その生活に合った改善方法を一緒に考え、その人にとってより美味しくより健康的な食生活を見つけることが出来るようにお手伝いしたいと考えています。

糖尿病の食事療法とは

糖尿病になると、炭水化物ダイエットをしなければいけない、甘いものを食べてはいけない等、今までの食事とは大きく異なる食事に変えなければいけないと考えてはいませんか?
実際はそんなに大きく変えなければいけないものではありません。現在食べている食事のバランスが悪かったり、間食の食べ過ぎだったり、食事時間が少しずれていたり、忙しくて食事を抜いてしまったり等、様々な要因が重なって血糖値が上がりやすい状況に陥っている方が多く見られます。なぜ血糖値が上がってしまっているのか、現在の食事、生活を十分に検討した上で、少しずつ血糖値を上げにくい食生活に変えていきます。

血糖が上がりやすくなる主要な要因

肥満がある

肥満は血糖値を上げる大きな要因となります。特に問題となるのはお腹の中についている内臓脂肪です。内臓脂肪からは病気の原因になるホルモン様物質がいろいろ分泌されています。糖尿病に関しては、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを阻害する物質が内臓脂肪から分泌されていることがわかっていて、血糖値が上がりやすくなります。肥満を解消する際には少しずつ減量することが大切です。肥満しやすい原因としては次にあげる2~4にあることが多いため、現在の食生活を振り返って見てください。

間食が多くよく菓子類を食べる

いろいろな種類の菓子は種類も豊富でついつい食べ過ぎになりがちです。菓子は主に米、小麦、砂糖、などの炭水化物と油脂で出来ており、血糖を上げやすいものです。また、カロリーも多いので肥満の最大の原因と言えます。カロリー表示を見て、ゆっくり味わって食べましょう。1日に200kcalを目安にしましょう。間食をよく食べる人の中には、食事を3食とっていない方を多く見かけます。食事をとっていないとお腹が空き、間食に手が出やすくなります。間食では身体に必要な栄養素が摂れないので食事の代わりにはなりません。食事は簡単でよいのでしっかりバランス良く食べましょう。

夕食が遅い

夕食が9時、10時になることも仕事の関係等であるかと思います。夕食が遅くなるほど空腹が強くなり、ご飯のお替りやおかずも多くなりがちです。夕食の食べ過ぎは血糖が上がる原因にもなり、太りやすくもなります。また、消化にも長時間かかるため、睡眠の質にも影響します。
夕食が遅くなる場合は空腹になり過ぎないように、夕方に上手に間食を取り入れてみましょう。血糖値が上がりにくく太りにくい物はタンパク質の多い牛乳、カフェラテやソイジョイ、ミックスナッツ等がおすすめです。夕食は野菜を多くし、油の少ない食事にしましょう。スープや味噌汁を付けると空腹感が和らぎます。インスタント物でもよいです。

朝食を食べない

朝食は一日の活動を始める大事な食事です。朝食を抜くとエネルギー不足、栄養素不足になり、午前中の仕事に集中することができません。また、空腹から昼食、夕食の食べ過ぎにもつながり昼食、夕食後の血糖が上がりやすくなることがわかっています。また、代謝も下がり、体内リズムも狂うことにつながります。今まで食べる習慣がない、時間がないという方もまずは、パンと牛乳からでもよいので朝食をとることを始めてみましょう。段々に食べることが出来るようになり、元気になることを実感出来るようになります。

InBody(体成分分析装置)について

In Bodyは体成分析装置です。In Bodyを使うことで筋肉量や体脂肪量の変化をみながら栄養状態や運動の評価に活用しています。数値化されることで変化も捉えやすく、患者さんにも好評です。

各種検査

エコー(超音波)検査

当クリニックでは20年程前より専門の超音波検査士2名による超音波検査を施行しています。
現在は週4~5回検査日を設定しています。
当クリニックの超音波検査と相まって、血液検査、会社検診、各市の検診、人間ドック等を積極的に患者さんに勧めることにより毎年多くの早期癌発見や他疾患の加療に大きく貢献しています。

頸動脈エコー/甲状腺エコー検査

全身の動脈の代表として頸動脈を検査して動脈硬化症の有無と程度を評価します。
通院している患者さんに対しては定期的に検査(抱えている病気により頻度は異なります)を行っています。この検査の結果を基に、動脈硬化症のある方を積極的に治療することにより心筋梗塞、脳梗塞等の動脈硬化性疾患の発生頻度を80~90%減らすことにつながっています。 また、同時に甲状腺エコーも行い甲状腺疾患の発見に努めています。

腹部エコー検査

腹部臓器(肝、胆、膵、腎、脾、膀胱、前立腺、大動脈、リンパ節等)の検査も平均2年に1回施行し(脂肪肝の有無や病態により頻度は異なります)、脂肪肝のフォローや癌の早期発見などに努めています。

心エコー検査

心機能、心筋、弁の状態から心疾患の発見に努めています。

乳腺エコー検査

乳癌の発見に努めています。

末梢血管エコー検査

末梢動脈硬化性疾患の評価、静脈血栓症等の発見に努めています。

  • InBody

    In Bodyは体成分析装置です。In Bodyを使うことで筋肉量や体脂肪量の変化をみながら栄養状態や運動の評価に活用しています。数値化されることで変化も捉えやすく、患者さんにも好評です。

  • DPNチェック(HDN-1000)

    当院では糖尿病性神経障害の客観的評価方法としてDPNチェック(HDN-1000)を導入しています。

  • ABI/CAVI

    この検査を行うことで動脈の硬さの評価および末梢動脈の狭窄について評価をすることができます。

運動療法

糖尿病やいわゆる生活習慣病の治療には生活・療養指導や、薬物療法、食事療法に加え、運動療法も欠く事の出来ない治療の支柱となっています。特に近年益々その重要性が認知されてきており、個々の年齢や能力に合わせた最適な運動を積極的に生活に取り入れることにより、糖尿病などの生活習慣病の治療のみならず、認知症の予防や生活の質(Quality of life)の向上に大きく寄与することが数々の研究で分かってきています。

当院での運動療法について

当院では開院時の24年前より、その当時は珍しかった運動療法を積極的に治療に取り入れるべく、当クリニックビル3階に運動療法のフロアを開設し、これまで治療の一つの支柱として実施して参りました。
特に最近(約10年前より)WHOや厚生労働省が推奨する最新情報に基づき、有酸素運動、筋力トレーニング、複合トレーニングを組み合わせて個人の体力に合わせ安全なプログラムを実施しています。 正しいからだの動きができるように無理なく導き、動けるからだを一緒につくっていきましょう。

世界保健機関の「WHO 身体活動・座位行動ガイドライン」2020によると、定期的な身体活動は、心血管疾患、2型糖尿病、特定のがん、ロコモティブシンドローム、うつ病、認知症などの発症・罹患リスクが低いと報告されています。
また、それに合わせて厚生労働省から、2024年1月に最新の科学的知見に基づく「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が公表されました。

65歳以上の場合の推奨量

  • 有酸素運動 中等度の運動を少なくても週に150~300分 または、 高強度の運動を少なくとも週に75分~150分
    または、中・高強度の組み合わせによる同等の量 ※ 座位運動が0 中等度の運動 歩行 散歩 ラジオ体操 3メッツ程度 高強度の運動 ジョグ 登山 サイクリング 6メッツ程度
  • 筋力トレーニング 少なくとも週に2日
  • 複合的な運動 筋力、バランス、柔軟性など組み合わせた運動 少なくとも週3日

WHOの掲げる重要な6つのメッセージ

  1. 身体活動が心身の健康に寄与する
  2. 少しの身体活動でも何もしないよりは良い。多いほうがより良い
  3. すべての身体活動に意味がある
  4. 筋力強化はすべての人の健康に役立つ
  5. 座りすぎで不健康になる
  6. 身体活動を増やし、座位行動を減らすことにより、すべての人が健康効果を得られる

糖尿病基礎知識

糖尿病の患者さんの日常生活上での注意点や対処法などをお伝えします。

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